国語はどうしても「どうやって勉強したらいいかわからない」という声が聞かれる教科です。確かに、英語のように文法を理解して問題を解く、あるいは数学のように公式を理解して計算の演習をする、というような勉強法は、国語には当てはまりづらいかもしれません。
かといって、全く方法がないわけではありません。国語も勉強である以上、成績をあげるための勉強方法があるのです。
今回は、その方法の基礎になる部分を2つ、述べていくことにします。
英単語を知らないと英文を読めないように、国語も言葉の意味がわからないと文章が読めません。特に、抽象的な評論文や、かなり昔に書かれた小説・随筆などは、日常的にはあまり使われない言葉がかなりの頻度で用いられます。
例題文)
「島田は吝嗇な男であった。」
実はこの一文、夏目漱石の小説に出てくるものなのですが、言葉の意味がわからないと何をいっているのかわからないですよね。当然、文がたくさん集まって1つのまとまりをなしている「文章」の意味も、よくわからないで終わることになってしまいます。
したがって、文章を読めるようにするための第一歩は、「知ってる言葉を増やそう」ということになるのです。もっとも、この例はちょっと難しいですけれど。
まずは、漢字の読み書きを通して、知っている言葉を1つでも多く増やすことが最初の一歩です。わからない言葉は辞書で調べる習慣をつけましょう。もちろん、入試には漢字の問題は確実に出題されますし、四字熟語やことわざの意味を問う問題も多いです。知っている言葉を増やすことが、入試での得点アップにも繋がります。
主語と述語は文の骨格をなす重要な要素です。一文を見て主語と述語がわからないと、文の意味もわからないはずです。特に抽象的で難解な文章ほど、主語と述語を適切に捉えることが大切になってきます。
例題文)
おそらく、人間が何らかの行動を起こす上での最も根本的な動機は、国家や正義といった抽象的な概念や、美や善などの普遍的な価値基準に基づいた判断なのではなく、素朴な興味や関心、さらには利害関係というような、利己的ともいいうるような感情なのだ。
「動機は」「感情なのだ」
文は主語と述語を骨格として、そこに修飾語をはじめとする様々な要素が重なることで、どんどん複雑になっていきます。とすれば、そこから主語と述語を抜き出し、複雑なものを単純にすることで見えてくるものもあるということです。もちろん、きちんと一文全体を理解することは重要ですが、よく分からないときはあえて単純化することが理解することへとつながります。
主語と述語をつかまえることは、文を、そして文章を理解する上での最初の一歩なのです。
以上、国語の勉強の初歩として「知っている言葉を増やす」「主語と述語を捉える」という2点をお話ししました。重要なことなので、忘れないでいてください。ただし、あくまで最初の一歩で、これらを踏まえて次のステップに進むべきであることも忘れないようにしましょう。
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