ある日の教室にて…
実はうちの予備校では、年に3回模擬試験を開催していて、5月の初めに第1回目の模擬試験がありました。結果については本格的に勉強を始めて間もないものあり、すごく良い点数を取れている人は正直なところ、ほぼいませんでした。
ただ、毎年模擬試験を受けている人を見ていて気になることがあります。
それは「結果に一喜一憂しすぎる人」が多いことです。そういった方々を見ると、「模擬試験の使い方を知らないなぁ」と思ってしまいます。
そもそも「模擬試験とは何のためにやるのか」というと、力試しとして受けるものと考える人もいるでしょうが、それよりも模擬試験を通じては、
の3点を体感してもらうことのほうが遥かにに大事です。では、どういうことなのかを具体的にお話をしていきましょう。
受験をするということを考えた時にまず必要となるのは「情報」です。模擬試験を作る側からすれば、「入試ではこういう感じの問題が出る」ということを把握した上で出題します。従って、試験を受けると、それだけで「出題形式」や「どういったレベルの問題が試験に出てくるのか」といった大まかな情報が得られます。それによって自分が「どういった形式の問題演習をし、どういったレベルの問題まで出来るようになったらいいのか」という最終地点が見えてくるはずです。受験は「相手を知る」ことが大切です。自分の受験する学校の過去問があれば、そこから情報は得られますが、もし手元にない時には模擬試験を受けることで、受験に対するイメージを持つことができます。
時間無制限であれば、数多く正解を導き出すことができる人もいるかもしれませんが、残念ながら入試本番では時間制限があります。従って、入試本番で必要なのは「時間内に正解できる(正解しなければいけない)問題を探し、確実に仕留められる力」です。基本から応用まで幅広く出されている入試問題の中で、合格するために必要な点数を取るためにどの問題を仕留めるべき問題とそうではない問題を見極めなければなりません。正直言って入試で満点を取る必要はなく、仕留められる問題をもれなく探して正解できれば、合格ラインには到達できます。会場で模擬試験を受ければ、第3者が時間設定をしてもらえますので、しっかりした予行練習ができるでしょう。
模擬試験を受ける意義は、この「現状把握」が1番大切かもしれません。そもそも勉強をする時に一番困るのは「何をすべきかがわからなくなる」ことです。この状況に陥ると勉強する箇所が的外れになってしまう可能性がありますし、勉強自体も停滞してしまいます。効率よく勉強を進めていく際は必ず「できていないこと」を明確にしておくことが大切です。模擬試験は入試に必要とされることを問題にして提供しているものですので、一通り受けたら自分自身が現時点で「どの単元(分野)ができていて、どの単元(分野)ができていないか」が1発でわかるはずです。できていない箇所がわかれば、それを一つずつできるように勉強を進めていけばいいのです。自分が勉強してきたことが身についているかを確認するには、テスト形式で練習してみるのが一番ですので、勉強の健康診断として模擬試験を積極的に活用しましょう。
確かに結果が出てないとそれなりに凹むと思いますし、不安な気持ちにもなるでしょう。でも、大切なのは結果よりも「模擬試験を受けて何を感じ、そこから何を学び、自分の勉強にどう繋げていくか」の方が何百倍も大事です。あくまで模擬試験は「模擬」であり、「本番」ではないのです。模擬試験でできなくても、入試本番でできていればいいのです。その本番で良い結果を出すために模擬試験を積極的に活用して勉強の効率を上げていってほしいと思います。
ちなみに…冒頭の話には続きがあります。
今回の模擬試験の結果はよくなかったかもしれませんが、試験にチャレンジしたことで「勉強に対する危機感」が出てきただけでも、この生徒にとって今回の試験は成功だと思います。今回感じた危機感を持ち続けて日々の勉強に取り組んでもらえれば、必ず最後には良い結果に繋がるでしょう。
勉強に対する危機感であったり、モチベーションの部分を刺激する手段としても模擬試験を受ける意義があるかなと思います。
次回の第一看護予備校の模擬試験は7月に予定していますので、志望校合格のためにぜひ参加してみてください。
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