“社会人から看護師を目指す”

 
2017.12.09看護師国家試験対策看護学生向け

【看護師国試対策・必修】解剖生理の苦手克服!3つのポイント

国試対策の第一歩。すべての問題を解くために必要になるのが解剖と生理の知識です。国試の勉強を始める時に、多くの人が最初に取り組むものであり、そして暗記の多さに打ちのめされる分野ですね。そもそも、なんで解剖生理は難しいんでしょうか?そこにはみなさんが気づきもしなかった、目からウロコな理由が。そして、最後には解剖生理を勉強するのが少しでも楽しくなるようなアイディアをご紹介します。

1.解剖生理学なんてない

生徒A
先生、解剖生理学の勉強を始めたのはいいんですが、勉強が難しくて困っているんです。どうしたらいいですか?
杉村
なるほど、『解剖生理学』ねぇ…。
生徒A
そうなんです。最初のページからもう難しくて分からなくなっちゃって。『細胞小器官』なんてよくイメージできないし。
杉村
実は教科書通り最初から勉強すると、つまずきやすいんですよ。
生徒A
え??教科書なのに最初から勉強したらダメってどういうこと?
杉村
それを説明するためには、まず、みなさんに衝撃の事実をお伝えしなければなりません。それは……『解剖生理学』なんてものは存在しない、ということです!

衝撃的すぎて、何を言っているのか分からない方もいるでしょう。みなさんが勉強している教科書には、はっきりと『解剖生理学』と書かれているかもしれませんが、実はそんな学問はありません。『解剖生理学』という表現は正確ではない、といった方が正しいのかもしれません。いわゆる解剖生理学というのは、本来は「解剖学」と「生理学」という別々のものです。事実、医学生の場合は解剖学と生理学をそれぞれ勉強しています。しかし、なぜだか看護学生の場合は、それらを一緒にした「解剖生理学」として教えられているんですね。おそらく解剖学と生理学はそれぞれ膨大な知識を学ばなければいけないため、看護師に必要な解剖と生理の知識を「解剖生理学」としてまとめたのでしょう。ただ、どうやら最近になってこの表現が訂正されてきているようで、ネットで調べてみると、「解剖生理」という表現が多くなってきています。ということで、解剖生理の勉強を難しくしている理由の一つが、解剖学と生理学の両方を一緒に学ぼうとして混乱してしまっていることです。解剖生理は、解剖学として学ばなければいけない部分と、生理学として学ばなければいけない部分があり、勉強する際はうまくギアチェンジしていかなければなりません。解剖は身体の構造の名称を覚えること、生理は身体の生命維持の仕組みを覚えることです。これを一気に覚えようとするから混乱して、つまずくのです。

「解剖生理」を勉強するときは、「解剖」と「生理」で分けて捉えて勉強すること。

2.木を見て森を見ず、解剖生理の迷いの森

生徒B
衝撃の新事実!
生徒A
でもナルホドですね。解剖学と生理学が混ざっていて、それを一気に勉強しようとしてたからあんなに混乱していたんですね。少し頭の中がスッキリしました。
杉村
僕も皆さんと同じ看護学生の時は、解剖生理に苦しみましたからね。気持ちは分かりますよ。1つの教科に見えて、2つ教科を勉強しているので切り替えが大事です。
生徒C
まるで英語で数学の勉強をしているみたい。
杉村
うーん、例えが良いんだか、悪いんだか(笑)
生徒A
でも先生、まだ気になることがあります。
生徒B
そうです。さっき、教科書の最初から勉強するとつまずくって言ってましたよね。なぜですか?
生徒C
私も気になっていました。先生に看護学生の時代があったなんて!
杉村
Cさん、そこですか。まぁ、僕と同じように皆さんも解剖生理で苦しまないように、僕なりの経験から勉強方法をご紹介しましょう。

「木を見て森を見ず」という‘ことわざ’を知っていますか?調べてみると、「物事の一部分や細部に気を取られて、全体を見失うこと」とあります。まさに解剖生理の勉強にうってつけの‘ことわざ’なんです。解剖生理を勉強するときは、まず最初に全体像をつかまないと、今自分が何について学んでいるのか、この知識に何の役に立つのかが分からず、苦痛な暗記をしなければなりません。だから教科書の最初のページからやみくもに勉強を始めようとすると、いきなりイメージの難しい細胞小器官の話から始まって、ワケが分からなくなって、つまずいてしまうのです。例えるなら、解剖生理という深い森を地図もなく歩くようなものです。どこに進めばいいのかも、今自分がどこまで進んでいるのかもわからず歩き続けなければならない。そうやっているうちに森に迷い込んだまま出られなくなるのです。なので、解剖生理を勉強するときは、まず「生理学」の部分を主にして、各臓器・器官の役割や概要をざっくりとイメージでつかむことから始めましょう。例えば、循環器であれば、血液を循環させることが役割であり、そのために心臓がポンプとして働き、動脈・静脈が全身を巡っています。このようなイメージをつけてから心臓の構造や主要な血管の名称、血液の流れる方向を覚えていきます。これをいきなり詳細な血管の名称を覚えようと勉強を始めると辛い暗記になってしまいますね。

解剖生理の勉強は「生理」→「解剖」の順番で勉強する。まずは各臓器・器官の働きをザックリとイメージでつかんでから勉強を進めること。

3.解剖生理は人体の地理

生徒A
そう、そう!今何を勉強しているのか自分でもよくわからなくて、まさに森に迷い込んだ感じでした。
杉村
前回の勉強方法のコツで触れましたが、手応えのない退屈な勉強を長時間続けることは苦痛でしかありませんよね。
生徒C
解剖生理の森なんかで迷いたくないですね。できれば動物さんと森で遊んでいたいです。
杉村
そういうゲームがあったような、なかったような(笑)
生徒B
今までの説明でなんとなく勉強の仕方が分かってきたんですけど、私はどうしても苦手意識がありますね。なにか苦手意識を克服できる方法ってないですか?
杉村
そうですねぇ、実はみなさん、解剖生理と似たような勉強を小学校、中学校、高校と勉強してきているんですけどね。
生徒C
うーん、なんだろう?国語、英語、数学、生物、化学、歴史、体育、調理実習、総合??
杉村
ブーッ。全部ハズレです。総合ってありましたねぇ、そういえば。ヒントは先ほどの解剖生理の森の話で登場してきた、地図です。
生徒A
地図ってことは、地理ですか?
杉村
そう、正解です。『解剖生理は人体の地理を勉強している』のです。

「日本の大動脈」という言葉があります。もちろん、日本に大動脈なんてあるわけはなく、単なる例えです。関東と関西を結ぶ高速道路や新幹線をそのように呼びます。それだけ人や物が行き来する重要な交通機関ということなのですが、まさにこの例えが意味するように、解剖生理とは人体の地理なのです。それぞれの地域に地名があり(=解剖学)、そして地域特有の生活の様子や特産品などがある(=生理学)ように、場所の名前とその特性を覚えることは解剖生理と似ていますよね。日本地図のように人体を考えてみましょう。日本列島を山脈が走り、東京を中心として道路や鉄道などの交通機関を利用してたくさんの物が全国に流通しているように、人の体も山脈のように脊椎があり、東京のように心臓を中心にして、動脈と静脈を通して赤血球が体のあちこちに酸素を運んでいたりしますよね。このように、自分のイメージしやすいものに結び付けて勉強をしてみると、難しそうな解剖生理も少しは勉強する気持ちになれるのではないでしょうか。

解剖生理は人体の地理。難しいものと考えずに、日本地図を勉強するように簡単なイメージを持ってみよう。

生徒B
そう言われてみると、地理にそっくりですね。私、温泉が好きでよくいろんなところに行ってるから、イメージしやすいかも。北海道は頭、東北は肺、関東は心臓で…、なんだか面白いですね!
生徒C
私も地理は得意だよ。よくご朱印巡りに行くし。
杉村
二人とも意外な趣味があったんですね。Cさん、その歳でご朱印巡りって渋いなぁ(笑)Aさんはどこか旅行に行ったりしないんですか?
生徒A
先生……。実は私、地理がものすごく苦手なんです。なんか今の話を聞いてたら余計に自信なくなってきました。
杉村
あちゃー、そうだったか。でも安心してください。実はもう1つ人体の生理をイメージできる、とっておきの秘策を考えていました。その名も【解剖生理イケメン擬人化計画】です!!
生徒B
ん?なんでしょうか、それは。さっぱりわからないです。ねぇAちゃん、アレ、Aちゃん…?
生徒A
せ、先生、なんですか、それ!めちゃくちゃ楽しそう。擬人化って結構前から流行ってますもんね。イケメン!!(ワクワク)
生徒C
そういえば、Aちゃんってたまにノートの端っこにイラストとか描いてたけど、まさかこんな意外な一面を持っているとは。
杉村
ものすごい食いついてくれてありがとうございます。しかし、今回もまたまたブログの掲載ページの都合上、ここまで。解剖生理イケメン擬人化計画については、また次回ですね。
生徒A
早く!イケメン、プリーーーーズっ!!!
生徒B&C
先生、Aちゃんがこれ以上おかしくならないように、早く次の記事をアップしてください。
杉村
わかりました(笑)では最後に今日のまとめと、次回予告です。

【看護師国試対策・必修】解剖生理の苦手克服!3つのポイント

  1. 「解剖生理」を勉強するときは、「解剖」と「生理」で分けて捉えて勉強すること。
  2. 解剖生理の勉強は「生理」→「解剖」の順番で勉強する。まずは各臓器・器官の働きをザックリとイメージでつかんでから勉強を進めること。
  3. 解剖生理は人体の地理。難しいものと考えずに、日本地図を勉強するように簡単なイメージを持ってみよう。
杉村
下記にお勧めの解剖生理講座のリンク貼っておきますね

《次回~解剖生理イケメン擬人化計画・消化管&消化器編~》


杉村
この記事を書いた人
「勉強するのは皆さん」です。でも、一人で勉強するとなると大変ですよね。そんな皆さんのために私たちがいます。学習の要点と国試の傾向をつかんだ教材を使って、楽しくモチベーションを維持しながら国試の勉強をサポートします。
メルマガを購読する!

看護受験に関する勉強法、小論文・面接対策、看護師の仕事についての情報を定期的にお届けします。

人気の記事 Ranking
【看護師国試対策・必修】解剖生理の苦手克服!3つのポイント1

【看護師国試対策・必修】解剖生理の苦手克服!3つのポイント

【看護師国試対策・超入門】時間のない人必読-勉強3つのコツ2

【看護師国試対策・超入門】時間のない人必読-勉強3つのコツ

看護受験の面接試験対策でおさえるべき【基本】3つ3

看護受験の面接試験対策でおさえるべき【基本】3つ

【国試対策】解剖生理・消化管&消化器の要点〈前編〉

【国試対策】解剖生理・消化管&消化器の要点〈前編〉

【効率重視】看護学校受験本番までに勉強すべき基本3項目-英語

【効率重視】看護学校受験本番までに勉強すべき基本3項目-英語

【国試対策】解剖生理・消化管&消化器の要点〈後編〉

【国試対策】解剖生理・消化管&消化器の要点〈後編〉

看護学校受験【絶対取れる】英文法問題で必ず攻略すべき-時制編

看護学校受験【絶対取れる】英文法問題で必ず攻略すべき-時制編

第一看護予備校 看護受験応援部 看護師国家試験対策 【看護師国試対策・必修】解剖生理の苦手克服!3つのポイント
-その他
第一看護予備校
札幌市東区伏古10条1丁目17-20
TEL:011-826-4732 FAX:011-826-4733
  
© 1983 Daiichi Kango Yobiko