看護師国家試験の勉強を始めようと思う、もしくはいざ始めてみたはいいけど・・・『でも、どうやって勉強したらいいの?』と勉強法に悩んでいる人が多いと思います。
そこで今回はまず、勉強をする時におさえるべきコツを3つご紹介します。答えを聞くと当たり前じゃん!、と思うことですが、意識しないとなかなか実践できない身近な3つのコツとは??
みなさん、「一万時間の法則」というのをご存知ですか?「ある音楽学校のプロの若手演奏者に、今までの生涯の練習時間を聞いて集計してみると、一万時間になった。」という調査結果があります。この結果から、どんな分野でもエキスパートになるには、それ相応の長い時間を積み重ねることが重要であるとされ、これを通称「一万時間の法則」といいます。脳科学者で有名な茂木先生も、ブログでこのことについて触れていましたので、興味があったら調べてみてください。しかし、ここで伝えたいのは、「質より量」ということではありません。大事なのは継続できた要因にあるのです。
まず、大切なことは勉強量。それも、長く勉強を継続することが大事!
近年の国家試験では、臨床的な判断を問うような長文から出題される問題や“新傾向”と言われる問題、画像と合わせて出題される問題などがありますが、それよりもまず一番いクリアしなければいけないのが、【必修問題】です。まず必修問題で8割以上が正解していなければ、国家試験は不合格となります。全体の正答率は毎年調整され変動するものですが、これだけは変わりません。必修問題では基本的な知識を問われます。つまりは知識量=暗記、がモノをいうことになります。暗記は苦手、と思った方もいると思いますが、すべての勉強は、よくよく考えると知識や問題の解き方を先生に教えてもらって、それを記憶(暗記)することから始まっているのです。
「理解は暗記から始まる」という言葉は、私の高校の時の英語の恩師の言葉です。外国の言葉の勉強はまさに恩師の言葉の通りで、最初は読めもしない文章の単語一つ一つを、目で見たり、ノートに書いたり、言葉にしたりして覚えます。そうすると、まだ全体の文章はよくわからなくても、次第に単語の意味が分かるようになり、これは名詞で主語だ、動詞だ、というように文の構造が少しずつ分かるようになります。勉強でつまづく人の特徴の一つに、すべてを理解・納得してからでないと気が済まないという人がいます。この考え方は非常に素晴らしくて、ノーベル賞を取った学者さんなんかも、はじめは学校の成績が良くなかった、なんて話もあります。ただ、国家試験に限っては「まず暗記!」して、勉強を進めてくことが、限られた時間でしなければならないことです。そう、時間がないからこそ、やるべきことはシンプルなのです。
国家試験に合格するためにはまず【必修問題】を8割クリアするための知識量!
勉強を継続していくためには3つのコツ【物・環境・人】があります。Aさん、Bさん、Cさんの悩みに合わせて説明していきましょう
「物」とは、皆さんが勉強するときに使う教科書や問題集などのことです。どうやらAさんは、自分に合っていない難しい問題集を解いているようです。教科書や問題集は、すべてが一冊に詳しく書かれていればよいわけでも、難しい問題がたくさん載っていればよいわけでもありません。大切なのは自分に合った内容や難易度で勉強を継続できること。むしろ少し簡単なくらいの問題集から始めた方がよいでしょう。勉強を継続するためには、「問題が解けた!」という、自分の努力に対しての手応え(報酬)があった方が継続できるのです。どんな人でも難しい問題をず~っと勉強を続けることは苦痛でしかありません。
もし勉強が苦手だと感じている人がいるなら、それは自分に合っていない勉強方法や難易度で無理に勉強をしてきたことと、「解けた!」と感じる報酬が少なかったからです。マンガ調の参考書でもよいのです。自分が楽しんで勉強できる「物」を選びましょう。繰り返し言いますが、他の人も使っているからとか、このくらい解けないときっとダメなんだ、と背伸びをしてはいけません。そのかわり、少し簡単なくらいでいいので、しっかりと時間をかけて勉強をすることです。
「環境」とは、文字通り勉強をする場所や時間帯などのことです。Bさんの場合は勉強する時間がない、ということが悩みでした。勉強とは1回に1時間や2時間すればいい、というものではありません。1回5分でもいいんです。朝ごはんを作る前、お昼休憩の時間、通勤・通学時間、お風呂の時間、寝る前の時間など、1人で時間を作れる時に1回5分、1日30分でも構いません。①の「物」との合わせ技で、自分の暗記用の手帳など、ちょっとしたときに見れるようなものを作ってみてもいいかもしれませんね。そしてお休みの取れた日に問題集を実際に解いて力試しをする、など。実は①の「物」でも同じように、無理をしないことが大事です。「もう少し勉強できるのに」、「もっと勉強したい」と思うくらいの余力を残しておくくらいの方が、長続きするでしょう。ただし、必ず毎日5分でもいいのでできる限り集中して勉強する時間を作ることです。
他にも、家にいるとダラダラとしてしまう、ゲームやテレビを見て結局勉強できない、ということがないように、学校や図書館、予備校などの集中できる環境で勉強することも工夫の一つですね。この方法は実践している人も多いのではないでしょうか。
今回の3つのコツの中で、もっとも重要なのが「人」です。一人で集中して勉強することもよいのですが、Cさんのように、1人だとなかなか気が向かなくて勉強できない、という人も多いと思います。そういう時には友達と一緒に勉強するのが有効ですね。それもただ一緒に勉強するのではなくて、例えば小テストをして一番成績が良かった人に何かご褒美があるとか、一番成績が悪かった人にペナルティとか、ゲーム性を持たせるのです。予備校で先生に教えてもらいに行くことも、勉強を継続する方法の一つでしょう。自分ひとりではなかなか気が進まなくても、人の目があると少し勉強するようになりますし、楽しかったことは自然と憶えているものですよね。オモシロおかしく勉強をすることが、効率よく継続して勉強する秘訣です。
最後に「物」、「環境」、「人」の3つをうまく利用できるのが、模試です。いつも同じ勉強方法でなく、月に1、2回程度、みんなでテストをする時間を作ったり、予備校での模試に参加すると勉強のやる気も維持できて、メリハリのある勉強ができるでしょう。ただし、予備校の模試にも「受けて損した」と感じるものもあります。それについては、また別の機会にお話しする、かもしれません。
勉強は【物】・【環境】・【人】をうまく使って、自分に合った無理のない勉強方法で継続すること。
(…1か月後…)
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